[北海道の魚屋が解説]美味しい毛がにの選び方

北海道のスーパーで魚屋をやって20年以上、魚のことは魚屋に聞け!!長年培った技術、経験、知識をお教えします。

北海道のスーパーでは、普通にかにが店頭に並んでいます。年末となれば、売り場の大半が、かにで埋めつくされます。そこで、お客様からよく聞かれる・・・

美味しいかにはどれ?

美味しい毛がにの選び方

北海道を代表するかにと言えば 甘い身と濃厚な味噌が美味しい

毛がに

美味しい毛がにを見分けるには、ポイントは3つです。

💮冷凍ものか、浜茹で(一度も冷凍していない)毛がにか?

💮産地はどこか?

💮個体による判別

冷凍毛がにと浜茹で生ボイル毛がにの違い

浜茹で生ボイル毛がにとは、水揚げされた、獲れたての毛がにを茹で上げ、一度も冷凍されずに流通される毛がに。

浜茹で生ボイル毛がには、香り、風味、甘味、旨さは最高‼️です。

ただ、デメリットとして旬の時期にしか味わえない、賞味期限が短い為、遠方の流通には向かないなどがあります。

冷凍毛がには、旬のおいしい時期に水揚げされた毛がにを茹で上げ、冷凍された毛がに。

冷凍されている為、長期保存ができて流通に向いている。旬のおいしい毛がにをいつでも食べることができます。

ただ、デメリットとして解凍するのに手間がかかる、香り、風味が若干損なわれるなどがあります。

冷凍毛がにと生ボイル毛がにでは、浜茹で生ボイル毛がにに分があります。

毛がにの旬と産地

毛がには、生ボイルの方が美味しいのですが、水揚げされる時期は産地によって漁期が違うので紹介します。

生ボイル毛がにでも、旬の産地ではない場合は、水槽で活かされた毛がにであるということも・・・

やはり、毛がには獲れたての鮮度が良い状態で茹で上げるのが美味い‼️鮮度が落ちたり、ストレスがあると、身が痩せてしまうのです

北海道産と言っても北海道は広い❗毛がにの産地は大きく分けて4つです。

オホーツク沿岸

流氷海明けの3月下旬~7月末位まで

噴火湾沿岸

7月~9月位

十勝・釧路沖

9月~3月位

日高沖

12月~4月位

年末に生ボイル毛がにを食べるなら、日高、十勝、釧路沖。

お盆に生ボイル毛がにを食べるなら、噴火湾(長万部、室蘭など)。

と産地は変わります。

毛がにの一番美味しい時期と産地

ズバリ‼️

流氷海明けのオホーツクの毛がに‼️

中でも、雄武産の毛がに‼️

漁獲量は、枝幸産が日本一なんですがね。

雄武町は、[雄宝]ゆうほうという3kg以上の脂の乗った秋鮭をブランド化、そのほか、ほたて、毛がになど雄武ブランドを全国展開に町を挙げて取り組んでいる町なのです。たぶん、鵡川のししゃも、羅臼のほっけのように・・・

海明けとは?

冬の間、厚い流氷が海を覆うオホーツク海沿岸。その間は漁が出来ません。春の訪れと共に流氷が去り一斉に漁が始まることを「海明け」と言います。
流氷には、アイスアルジーと呼ばれる植物性プランクトンがたくさん育っているのです。これがオホーツク海で良質な海産物がとれる秘密。流氷の時期はこの植物性プランクトンが一気に増え、良質なエサとなります。毛ガニもこの流氷の恵みを存分に受け、体にたっぷりと栄養を蓄えます。だからこの時期に水揚げされる”海明け毛ガニ”は、極上の毛ガニと言われているのです。

そして、海明けを待っいるのは、漁師さんだけではなく、毛がにファンも待ち遠しにしています。

北海道のスーパーでは、この海明けの毛がにを4月初旬に売り出すのですが、それはもう大人気なのです。生ボイル毛がにの売り上げでいうと一年で一番売り上げがある時期になります。

冷凍物は、旬の美味しい時期に冷凍された毛がになので、

冷凍物を選ぶなら

オホーツク雄武産の毛がに

が良いと思います。

雄武産が見当たらなければ、紋別沙留産、枝幸産ですかね。

ロシア産毛がにと北海道産毛がにの違い

ロシア産の方が価格は安いです。何故かと言うと、技術と鮮度の差ですね。

不味い訳ではありません。

ロシア産でも十分美味しいと思います。

ロシア産ということは、日本の漁域より、遠い場所で水揚げされ、日本に輸入され、加工される訳ですから、鮮度が北海道産に比べると若干下がります。また、水揚げされた毛がにを船上で茹で上げ、瞬間冷凍する船もあるのですが、技術が足りない印象です。今年は、その船に日本の人が技術指導に入ったらしいので、技術は向上傾向にあります。

一昔前のロシア加工でしたら、茹で時間が短く身がびちゃびちゃな感じだったり、甲羅をブラシで洗っていなくて、コケで緑ぽかったり、7kg7尾の規格でも中の大きさがばらつきがあったりしていました。

産地表示は、日本で加工されたら、原料原産地:ロシア。

ロシアで加工されたら、原産国:ロシアになっています。

安さで選ぶなら、ロシア産ですね。

おいしい毛がにを見分ける着目ポイント部分

スーパーでお客様に聞かれた時、オッチャンはここをみています。

毛がにの大きさと重さ

やはり、同じ値段なら重たい毛がにを選ぶ‼️

毛がには、規格が決まっていて1ケース4kgに何杯入りで流通されます。4kg4杯入りなら1杯1kg前後、4kg11杯入りなら1杯360g前後となります。しかし、すべてが同じ大きさ重さではありません。型が小さいと、さほど差はありませんがね。

同じ値段(規格)で選ぶなら、

重さ‼️

大きさではなく、重さ‼️です。同じ重さなら、小さい方がいいです。身がぎっしり詰まっています。

毛がにの甲羅の色、固さ

色は、明るいより暗い方、甲羅にフジツボなどがついている方がいいです。

ただ、噴火湾の毛がには、他の産地と比べると明るいので産地にも注目してください。

また、甲羅の端の方だけ黒い場合は、鮮度が下がってから茹で上げられた場合があります。

固さは主にチルドの毛がになりますが、〝堅がに〝と〝若がに〝を見分けるのに必要となります。

スーパーなどでは、若がにには、若がにと表示してあると思います。クレームの原因にも成りかねないですし、甲羅をおもいっきり押されて穴を開けられてしまうからです。

毛がには、一年に一度脱皮をします。脱皮仕立ての毛がには、脱皮に全精力を使いこんでしまい身も痩せてスカスカな時期の毛がにを〝若がに〝と呼びます。逆に脱皮前の身も味噌がびっしり詰まった毛がにを〝堅がに〝と呼びます。

旬=堅がにの時期なのです。

冷凍流通している毛がには、旬の美味しい時期の毛がになので、ほぼ堅がにから次のランクなので、身がスカスカということは、ないと思います。あるのかもしれませんが、長年やっていて出会ったことがない。だって、メリットないですからね。

若がには、味噌も身も少ないですが、茹でたての風味、甘さを楽しむ物として流通しています。それを冷凍してわざわざ風味をなくしてしまい、蔵代を掛けるまでではないですからね。出汁として使うなら別ですけどね。

毛がにの足とお尻(甲羅とふんどしの境目)

毛がにをお尻から見て、一番手前の足。ここに身が詰まっていれば全体的に身が詰まっています。また、甲羅が盛り上がっていれば身が詰まっています。

かに通販サイトの選び方

オッチャン、北海道の人間だから、かにはスーパーで買うものだと思っていたのですが、かにをスーパーで買えない方や道外の方などから問い合わせをいただいたので、選ぶポイントを紹介します。

毛がに通販サイト厳選3選

以下のサイトより、一通り目を通して選びました。

1位 

メインとなる商品が毛がにで長年雄武産の毛がにを扱っています。美味しい雄武産の毛がににこだわっている店舗ですね。

値段もリーズナブルかと。

2位

訳なし、品質にこだわった店舗。雄武の旬の時期には、浜茹で生ボイルも取り扱っています。

ただ値段は、若干高め。品質と信用にこだわっているからなんでしょうね。

3位

毛がにの大卸しがやっている店舗。仕入れから加工全てを賄っています。

生ボイル毛がにを扱っています。

安さなら

卸し業者なので、価格はリーズナブル。市場に流通しているものを扱っているので品質的にも問題ありません。

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