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「魚屋が解説」魚に潜む寄生虫の種類と特徴

雑学
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北海道のスーパーで魚屋をやって20年以上、魚のことは魚屋に聞け!!長年培った技術、経験、知識をお教えします。

魚から虫が出てきた!!

魚に何か虫がついている!!

食べても大丈夫なの??

天然の魚には、寄生虫が存在している場合があります。

詳しく知らない方も多く、魚についている虫はすべて、

アニサキスだと勘違いしている方もおられます。

ほとんどの寄生虫(アニサキス以外)は、食べたとしても健康被害はありません。

そこで、今回は、

魚に潜む寄生虫の特徴を紹介します。

本記事中に、

寄生虫を紹介する写真があります。

ご了承ください。

魚に潜む寄生虫

天然の魚は、野菜のように農薬を使って害虫を駆除することが出来ません。

なので、天然の魚には、寄生虫が存在している場合があります。

ほとんどの寄生虫(アニサキス以外)は、食べたとしても健康被害はありません。

とは言え、商品に寄生虫が混入しているものは、お客様にとっても、不快なものです。

魚屋としては、商品に寄生虫が混入しないように毎回、毎回、目を光らせています。

もし、混入していましたら、本当にすいません。

ぶり糸状線虫

ぶり線状虫 ぶり寄生虫

名前の通り、ぶり、ハマチ、いなだなどの天然のぶりの仲間に寄生しています。

食べたとしても、特に健康被害はありません。

細長い虫なので、アニサキスと混同しがちです。

かなりの高い確率で寄生しています。

サイズは5cm~60cm前後で、赤っぽい色をしています(死んでいると白色に変わります)。

厄介なことに筋肉(身)に寄生しているます。内臓なら内臓ごと捨ててしまえばいいのですが、身に寄生しているわけですから、魚屋にとっても超厄介者です。

寄生の仕方も厄介で、ミミズのように「びろーん」と伸びていたり、団子状に丸まっていたりします。

厚く切った刺身柵や切り身の場合、「びろーん」と伸びていれば発見しやすいですが、丸まっていると、分かりずらくそのまま商品として、お客様の元にわたってしまうこともあります。

取り除いてもらえれば、魚自体にはほとんど問題はないのですが、魚からミミズみたいな虫が出てきたという衝撃で食る気になれないと思ったら、購入したお店に連絡すると交換、返金等の対応をしてもらえます。

この寄生虫は、天然のぶりの仲間にかなりの高い確率で寄生していますので、魚屋としても注意はしているのですが、筋肉中に潜まられると見つけようがなく、魚に問題があるわけでもなく、魚屋が怠慢を働いたわけでもないという事実だけは知って頂けたら幸いです。

リべニア

するめいか、真鱈、すけそうだらに高い確率で寄生するしています。

食べたとしても特に健康被害はありません。

米粒みたいな虫です。

するめいかに付着しているリべニアはとても元気がいいです。

よく、すけそうだらの子に付着していますが、これすべてを取り除くことはとても大変なので、気になる方はご購入をお控えください。

テンタクラリア

かつお、まぐろの内臓や内臓周辺の筋肉に寄生しています。

食べたとしても特に健康被害はありません。

白い点のようなものでほとんど動きません。

包丁の刃先で簡単に取り除けます。

サケシラミ

サケシラミ

名前の通り、鮭の体表に付着している。

1cm前後で黒っぽいカブトガニみたいな虫

人間には寄生しないので、衛生上の問題はありません。

サンマヒジキムシ

サンマヒジキムシ さんま寄生虫

さんま、めかじきなどに寄生しています。

食べたとしても特に健康被害はありません。

名前の通り、さんまにひじきが付いている感じの黒い胴体をしていて、頭が刺さっています。

さんまの体にたまにある丸い斑点はこいつの仕業です。

クドア・セプテンプクタータ

ヒラメの筋肉中に寄生しています。

大きさはとても小さく、約10マイクロメートルと顕微鏡でないと見れません。

寄生しているかの見分け方は、ヒラメの筋肉に寄生しているので、

鮮度がいいのに、身がグチャグチャになっているので分かると思います。

生で食べると、軽い下痢や嘔吐などの症状が起きます。

クドアの退治方法

-20℃で4時間以上冷凍する。

75℃で5分以上加熱する。

刺身用はアニサキス退治方法と一緒に退治できます。

アニサキスの退治方法は、

-20℃で24時間以上。

スーパーでは、身がぐちゃぐちゃなので、販売はしないです。

もし、釣ってきた魚で、

身がぐちゃぐちゃなのは、加熱してください。

アニサキス

ひらめ アニサキス

アニサキスはおきあみなどの小型のえびを介して寄生します。

これを餌としている魚に潜んでいます。

いか、さんま、ひらめ、さば、さけ、にしん、いわし、たら、ほっけなどに多く見かけられます。

まぐろ、ぶり、すずきなどにはあまり見かけられません。

養殖の魚は人工飼料で育てているのでアニサキスの心配はほぼありません。

大きさは2~3cmと、さほど大きくなく糸状をしています。

加熱してしまえば、何も問題ないですが、(アニサキス症アレルギーの方は除く)

生きたまま食べてしまうと、激しい腹痛や嘔吐などの症状を引き起こす場合があります。

なので、スーパーではアニサキスが潜んでいそうな魚を刺身用で販売していません。

もし、スーパーで販売した商品が原因で食中毒になったと判断された場合、数日間の営業停止処分になりかねないからです。

スーパーから、刺身用生いか、刺身用生さんまとか「刺身用」の言葉がなくなったのは、このせいです。

スーパーでは、お客様には、安心、安全な食材を提供する義務があるので、味よりも、安全を優先しています。

刺身用で販売するときは、必ずアニサキスを退治して販売しています。

アニサキスの退治方法

-20℃で24時間以上冷凍する。

70℃で秒死、60℃で1分以上加熱する。

酢、醤油、わさびなどでは死にませんのでご注意下さい。

生のさばを酢で〆てもアニサキスは死にません。

意外と知られていないのが、いくら(生筋子)の醤油漬けです。

生鮭にもアニサキスが存在しますし、生筋子は、鮭のお腹から出てくるものなので、適切に退治してください。

(卵の中までは、入り込まないです。)

生筋子のほぐし方とアニサキス退治はこちらをどうぞ!!

どうしても生で食べたい方は、こちらの方法で少しは安全に召し上がれると思います。

・目視によるアニサキスの除去

さんま、にしん、いわしなどは難しいですが、いか、ひらめなどの白身魚は身を光にかざすと透けて見えるので、アニサキス幼虫が潜んでいるかを判断出来ると思います。

・飾り包丁などを入れてアニサキスに傷をつける

アニサキスは傷を付けると、死んでしまいます。

飾り包丁を入れたり、たたきにすることで、退治することができると思います。

あと、よく噛むことで傷つけることができるかと・・・

寄生虫の画像

ここから先、

寄生虫の写真となります。

ご了承ください。

ぶり糸状線虫の画像

リべニアの画像

サケシラミの画像

サンマヒジキムシの画像

アニサキスの画像

まとめ

天然の魚には、寄生虫が潜んでいる場合があります。

生で食べたとしても、

アニサキス以外、

健康被害はありません。

発見した場合は、取り除いていただければ、問題なく召し上がれます。

魚屋としては、細心の注意を払っております。

しかしながら、目視の為、

身の中に潜んでいた場合、

後から出てきたりする場合もございます。

よって、

健康被害が起こりうる

[アニサキス]に対しては、

安心して、ご購入頂けるよう

アニサキスを退治してから、

刺身用として販売いたします。

加熱調理して頂ければ、安心して召し上がることが出来ます。

天然の魚には、寄生虫が潜んでいる場合があります。

魚に問題があるわけではなく、魚屋が怠慢を働いた訳でもないという事実を知って頂けたら幸いです。

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